YANS2023参加報告

執筆者:佐藤

はじめに

4年佐藤が、2023年8月29~8月31日に開催されたNLP若手の会 (YANS) 第18回シンポジウム (2023)に参加しましたので、ここに参加報告を記します。

目次
  • YANSとは?
  • プログラム
  • 発表について
  • YANSに参加した感想
  • おわりに

YANSとは?

YANS(NLP若手の会シンポジウム)とは、主にNLP(自然言語処理)関連分野の若手研究者、技術者間の交流や技術発展を目的としたシンポジウムです。

若手の会と冠するとおり、他のシンポジウムと比較して学部生、院生が主体となった、フレッシュで熱量のある空気感が特徴的です。また、企業からも多く参加者が集い、就職活動におけるコネクション形成の場という側面もあります。スポンサーの豪華な顔触れからも、これからのNLP研究の担い手となる、優秀な若手研究者が多く参加していることが窺えます。(筆者が優秀だとは一言も言っていません。むしろ周りがエリートだらけで泣きそうになりました。)

プログラム

詳細なプログラムは、こちらをご覧ください。

0日目:ハッカソン

シンポジウムの0日目として、YANS分野交流ハッカソンが催されました。ハッカソンとは、エンジニアが短期間で集中的にアプリケーションやシステムを開発するイベントのことを指します。多くの場合、設定されたテーマに沿って、アイデア出しから開発、プレゼンまでを期間内に行います。

今回のハッカソンでは、画像処理をはじめとするのNLP以外の分野との交流を目的としており、テーマもそれを反映したものとなっています。デモアプリ開発ハッカソンと、リーダーボードハッカソンの2つが並列して行われました。 各詳細は以下になります。

デモアプリ開発ハッカソン

画像+言語のマルチモーダルな出力を行うWebアプリを開発し、そのアイデアや面白さを競います。OpenAI API の言語生成 API や画像生成 API 等を利用します。

リーダーボードハッカソン

特定の評価メトリックを用いたコンペ形式の競争になります。OpenAI API を用いて公開データに基づく自然言語生成タスクに挑戦していただきます。リアルタイムにモデルのスコアを測定できるリーダーボードを用意します。

私はWebアプリに興味があったこともあり、デモアプリ開発ハッカソンに参加しました。全6チームが組まれ、1つのチームはほとんどが初対面の学生、社会人入り混じった4~5人で構成されました。

いざ4時間のハッカソンが開幕すると、まずはメンバーが各々事前に考えてきたアイデアを共有します。私も2つほどアイデアを考えていましたが、あるメンバーの方が具体的な実装までも記したハンドアウトを作成してきてくださったため、その方の案を採用しました。早速、「テーマとジャンルを与えると、それに応じた4コマ漫画を作成してくれる」というアプリの作成に取り掛かります。

フロント作成、バックエンド作成、プロンプト考案、スライド作成、補助というように役割を決め、個人作業の時間が始まります。開発環境は運営側で用意してくださっていたため、環境構築で躓くことはありませんでした。私は漫画の生成、出力を担当し、メンバーの方におんぶにだっこされながらも職務を全うできました。

差し入れのハーゲンダッツ休憩をはさみつつ、デプロイとスライド作成を時間ギリギリまで粘ります。無事にデプロイしたアプリが動くことを確認し、あとはプレゼンを残すのみです。

60人超に配布されたハーゲンダッツ達。美味しくリフレッシュできました、ありがとうございます!(YANS2023Slack-photoチャンネルより引用)

権利上、資料は公開できませんが、どのチームのプレゼンも楽しく見られました。私たちのグループは惜しくも受章とはなりませんでしたが、審査員賞の最終候補の2つには残っていたようです。審査員賞と優秀賞をダブル受賞した大喜利アプリは、アプリのアイデアやクオリティ、プレゼンのどれをとっても素晴らしかったです。

1日目:シンポジウム①

彼の有名な、東大の松井先生のチュートリアルからシンポジウムは始まりました。「グラフを用いた近似最近傍探索の理論と応用」という文系学生には手強そうなタイトルの講演でしたが、内容の面白さもさることながら、数学を忌避している私でも理解できるような説明が印象的でした。

1回目、2回目のポスターセッション(全5回/私の発表は3回目のセッション)では、私はポスター発表の勝手を知らなかったこともあり、発表内容よりも発表方法に注目して参加していました。

ポスター発表とは

学会発表には、主に口頭発表とポスター発表の2種類があります。
口頭発表は、スライドを用いて一方的に説明を行い、その後質疑応答を行う形式です。つまり、説明と質疑応答が比較的長い時間をかけて1ターンで行われます。
ポスター発表は、大きなポスターの前に立ち、集まった聴講者に一通りの説明を行い、都度質疑応答が行われる形式です。聴講者が時間内(今回は1時間)に何度も入れ替わるため、説明と質疑応答が短い時間で数ターン行われます。

ラウンドテーブルでは、自身の希望ジャンルごとに割り振られたグループで、20分間のフリートークを行いました。1回目は「知識獲得・情報抽出」、2回目は「学部卒・修士卒のキャリア」のトークに参加し、現状の課題や悩みについて語り合いました。

3回目のポスターセッションは、ついに私の発表番です。詳細はこちら

発表を終え、1日目のシンポジウムは幕を閉じました。

2日目:シンポジウム②

シンポジウムの2日目は、これまた著名な理研の吉野先生による「その研究ChatGPTでいいんじゃないですか?~LLM時代の対話システム研究~」と題したチュートリアルから始まりました。ほかのセッションにも言えることですが、Slackが活発に流れており、YouTubeのチャットのように他人のリアクションを見ながら聴講できたのは新鮮でした。

その後のスポンサーセッションやポスターセッション、パネルディスカッションや招待セッションについては、前日に発表が終わっていたこともあり楽しみながら聞くことができました。

YANSの最後となるクロージングでは、主に表彰が行われました。到底、何らかの賞に選ばれるとは思ってもいませんでしたが、なんとちゅらデータ株式会社様よりスポンサー賞を頂きました。私にとってはまさに青天の霹靂でしたが、今回のYANSでは最も思い出に残る出来事となりました。一人で参加していたため、受賞時の写真が撮れなかったことは少し心残りではありますが…

また、受賞後にご挨拶に伺ったところ、ありがたいことにお食事に誘っていただきました。自身の身の振り方を考えされられるようなお話から、楽しく笑い飛ばせるようなお話まで沢山聞くことができました。本当に感謝しております。

発表について

私は、「有価証券報告書のPDFに含まれる表を対象にした構造解析の試み」という題で発表をしました。聴講者が途切れないか心配でしたが、ハッカソンやラウンドテーブルで知り合った方々も多く聴講に来てくださったため、その心配は杞憂に終わりました。

Yans2023_ポスター

YANSに参加した感想

参加する前から参加できるYANSのSlackには、東大、東北大、NAISTといったNLPエリートの字面が並び、かつ一人での参加であったため、北海道を発つ時には私の胃が悲鳴をあげていました。しかし、いざ参加してみると、優しさとリスペクトをもって迎え入れていただき、NLPクラスタの温かさが垣間見えました。発表を見ては、同年代のNLP研究者の凄さに圧倒されると共に、良い刺激を受けられました。

また、スポンサー賞を頂けたこともあり、今後の研究の大きなモチベーションにもなりました。ぜひとも勇気を出して、NLP研究を志す学生はB4のうちに飛び込んでみるべきだと思います。B4だと、参加しているだけで偉いと言われて自己肯定感が上がります。

おわりに

この度は、遠方からの参加であったのにも関わらず、旅費補助により大変低い経済的負担でYANSに参加することができました。心からお礼申し上げます。

また、スポンサー賞に選んでいただいたちゅらデータ株式会社様をはじめ、運営委員の皆様や各社スポンサー様、私と交流を持ってくださった方々にも、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

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